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富嶽百景 ふがくひゃっけい 作 : 太宰治 朗読 : 榊原忠美 作品について
「……さつと、バスは過ぎてゆき、私の目には、いま、ちらとひとめ見た黄金色の月見草の花ひとつ、花弁もあざやかに消えず残つた。
三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みぢんもゆるがず、なんと言ふのか、金剛力草とでも言ひたいくらゐ、けなげにすつくと立つてゐたあの月見草は、よかつた。富士には、月見草がよく似合ふ。……」富士を望む御坂峠で過ごす、結婚を控えた幸福な日々。若き太宰治のユーモア滲む名作を、名優・榊原忠美の朗読で! 約59分。 朗読者について
劇団クセックACTの中心的俳優にして、CM出演多数の榊原忠美(さかきばら・ただよし)が、正統派の読みを聞かせます。太宰の若き心情を伝えて爽やかな印象を残します。 著者について
太宰 治(だざい おさむ) 1909(明治42)年6月19日、青森県金木村に大地主の六男として生まれる。本名、津島修治。東大仏文科在学中に非合法運動に従事し、やがて本格的な執筆活動に入る。昭和10年、「逆行」で第一回芥川賞の次席となり、翌年には処女作品集「晩年」を刊行。以後「走れメロス」「斜陽」など多くの佳作を執筆。「人間失格」「桜桃」を発表した1948(昭和23)年、山崎富栄と玉川上水に入水心中。享年38歳。遺体が発見され、かつ誕生日である6月19日には、太宰を偲ぶ『桜桃忌』が墓のある三鷹の禅林寺で行なわれる。
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